低糖質ダイエットの流行で、食物繊維や栄養が豊富な食材の一つとして注目されるようになったおから。
私も子供の頃、祖母が作ってくれた甘めの味つけの卯の花煮が懐かしくなり、時々自分で作ったり、ダイエット用におからクッキー作りに挑戦したりしていますよ。
安価で手に入り、昔から庶民の味方のイメージがあるおからですが、どこから来て、いつ頃から食べられているのか気になったので、おからの由来について調べてみましたよ。
おからの歴史
おからはいつ頃から食卓に登場するようになったのでしょうか。
おからの原料である大豆は、約2000年前の弥生時代に、中国から朝鮮半島を経て日本にやって来ました。その後奈良時代に大豆加工品である味噌や醤油の加工方法が中国から伝わったと言われていますが、その頃はまだ大豆は特別な食べ物で一般には普及していません。
その後、鎌倉時代以降に大豆の栽培が広がり、いろんな大豆加工品が作られるようになりましたが、江戸時代の前期は、豆腐は大変貴重な食料で特別な日にだけしか食べる事のできない贅沢品だったため一般家庭の食卓に上るのは江戸時代の中期以降からです。
おからは、豆腐が食べられるようになった頃から登場しているので、江戸時代中期以降には、おからも食べられてましたが、現在と同じでおからの消費量は豆腐に比べると極端に少ないので、贅沢品だった江戸時代でも食用より廃棄処分になる事が多かったそうです。
おからの名前の由来
おからの名前の由来は、豆乳を作る時の大豆の搾かす「殻」に丁寧語の「御」をつけて「おから」です。そのまんまでした。
漢字にすると「雪花菜」と書きます。おからの白くて雪のような姿を漢字にしたような、可愛らしい可憐な雰囲気の漢字ですね。
「雪花菜」を関東や東北地方では、包丁で切らずに食べる事ができることから「きらず」と呼びます。
おからと言えば卯の花ですが、どうして卯の花と呼ぶのでしょう?
おからを調理したものを卯の花と言うという説もあり、私も煮物にると卯の花になると思っていたのですがが、実際はどうなのでしょうか?
おからと卯の花
上の花は卯の花と言われている、本名は「ウツギ」です。
ウツギはユキノシタ科の落葉樹の低木で、このウツギの名前の由来は、5月〜6月、旧暦の4月(卯月)に花を咲かせる事から「卯月」ウツギとなった、または枝の芯が空洞で「空な木」(うつろなき)からウツギとなったと言われているそうです。
そして、おからを卯の花と呼ぶのも、ウツギの花がおからと同じように白く、枝が「空ろ・うつろ」(から)である事から、言葉遊び、洒落から呼ばれるようになったそうです。
言葉遊びと洒落で卯の花になったなんて、思ってもいませんでした!
優等生なおから
おからは食物繊維やカルシウムが豊富で他にもタンパク質炭水化物、カリウムも含まれ、さらに低カロリーとヘルシーな食材です。
特に食物繊維が100g中11.5g、何とごぼうの2倍に相当する量が含まれ、タンパク質はゆで大豆の40%残っています。
現在おからはほとんど廃棄処分になっていますが、こんなに安価で栄養豊富、ローカロリーな優等生なおからを使わないなんて、もったいない話です。
おからの料理といえば、煮物が一般的でしたが、10年程前に、お惣菜屋さんで初めておからコロッケが発売された時には、「えっ、あのおからがコロッケに!」と、ちょっとびっくりした経験がありますが、最近はいろんなメニューに変身しています。
例えば
・おからハンバーグ
・おからグラタン
・おからパン
・おからクッキー
・おからケーキなどなど、特にパウダータイプのおからが発売されるようになり、さらに手軽に使えるようになり、おからのレシピの幅がどんどん広がっています。
オリジナルレシピを考えて、楽しく利用したいですね。
まとめ
○おからは江戸時代中期以降に一般的になった。
○おからの名前は、大豆の搾りかすから。
○卯の花はウツギという低木で花と枝の見た目から言葉遊びと洒落 でおからの別名になった。
○おからは栄養豊富でいろんなアレンジができる優等生。